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ワッカアートアワード2026 入選作品

WACCA ART Award 2026へのご応募、誠に有難うございました。
グランプリ・ご入選者様をご紹介いたします。
(写真はクリックで拡大表示していただけます。)

ワッカアートアワード2026 グランプリ

作品名:Peek at the back side.(堀⽥ 千尋 氏)

1990年北海道出⾝、2015年多摩美術⼤学⼤学院博⼠前期課程絵画専攻油画研究領域修了。道具を分解したり切り分けたりしながら縫い合わせることで、道具の背景にある「こと」としての⾏為を形にする制作を⾏なっている。主な展覧会に「⼋王⼦芸術祭2025」(中野上町⼯場跡、東京)「Art Fair Beppu 2024」(別府国際観光港 旧フェリーさんふらわあ乗り場、⼤分)など。

Website:https://chihiro-horita.studio.site/
Instagram:@horita_chihiro

商業施設の普段は見えない側面に目を向け、それをアーティストの想像力と造形力によって可視化しようとする視点が高く評価されました。親しみやすいモチーフと独自の眼差しが両立し、来館者に開かれた展示となる可能性が感じられました。新たな表現への挑戦も含め、今後の深化が期待されます。

ワッカアートアワード2026 入選作品(五十音順)

作品名:air(⼤⾕ 理佳⼦ 氏)

1998年兵庫県⽣まれ、神奈川県在住。2024年東京藝術⼤学⼤学院美術研究科先端芸術表現専攻修⼠課程修了。⽣活の中で感じたことを歌にし、それを起点に、⾝近な素材を⽤いた⽴体と映像を組み合わせたインスタレーション作品を制作している。

Instagram:@hitorideminna

歌とレジ袋を組み合わせた明快なコンセプトが高く評価されました。1次審査での疑問点に対し、2次審査では具体的な展示構想が示され、実現可能性と飛躍の余地が感じられました。シンプルで伝わりやすい世界観の中に、さらなる展開の可能性が秘められており、今後の成長も含めて高く評価されたプランでした。


作品名:ミニ・バイオームから池袋を読む(遠峯 未来 氏)

美術家、プランナー。美術やデザインの視点から、まちを⾯⽩くする活動を実践中。他者との協働による創造性の創出に関⼼がある。主な活動に「保⼟ケ⾕⾼架下ART LINE (参加作品タイトル︓⽔辺の隣⼈)」(2025年、横浜市)、「地域の植物図鑑をつくる」(2025年、町⽥市)、「流域こども⾷堂in相模川」(2026年、神奈川県)、など。

Website:https://tominemiki.tumblr.com/
Instagram:@mikitomine

池袋を植生調査という視点から読み解く独自のアプローチが評価されました。プロジェクト型の展覧会としての可能性が高く、プロセスを重視する姿勢が印象的でした。アウトプットの形式については多様な展開の可能性が議論され、作品としての展開を想起させる提案として高い評価を受けました。


作品名:Building(橋本 義美 氏)

2002年北海道⽣まれ。2024年武蔵野美術⼤学卒業。東京を拠点に活動。
インスタレーションを中⼼に、必要なメディアを横断的に⽤いた作品制作を⾏う。知覚構造や⾝体性への関⼼から、鑑賞者の認識が揺らぐ瞬間を⽴ち上げる実践を展開している。

Portfolio:Yoshimi Hashimoto PORTFOLIO
Instagram:@yoshimi__hashimoto

都市空間における商業施設という場で身体性というテーマに向き合い、それを説明ではなく立体造形で応答しようとした姿勢が評価されました。空間条件を踏まえた構成力が感じられ、不特定多数の人が利用する商業施設という建物における、身体性の表現に可能性を感じられる素晴らしい提案でした。


作品名:Still warm:まだあたたかい(中根 隆弥 氏)

1996年⽣まれ。2021年静岡⼤学教育学研究科学校教育研究専攻美術教育専修造形制作論分野修了。⼈の営みから⽣まれる線や痕跡に関⼼を持ち、それを可視化する装置【Drawing Machine】の制作を⾏う。素材は⼟地⼟地で収集したファウンドオブジェ。思考に先⽴つ本能と感覚を⼈間の⽣(なま)と仮定し、⼈間の⼿の跡、⽣(なま)の痕跡が残る制作活動を続ける。主な展⽰に、「トビチ美術館2023偶然、ここで。展」(旧安藤精⻨/⻑野県/2023)、「Drawing Machine ⽣の体現-本能と⽣を感じる展覧会」(静岡市⽂化・クリエイティブ産業振興センター/静岡県/2024)、「IAG AWARDS 2024 EXHIBITION」IAG奨励賞/【都市間提携】裏⼩樽モンパルナス特別賞(東京芸術劇場/東京都/2024)、「中根隆弥展-砂浜の中の川-」(裏⼩樽モンパルナス/北海道/2024)、『ギャラリー無量【キュレーション公募2025】採択企画展「コンパスと遠近の囁き」』(ギャラリー無量/富⼭県/2025)など。

Website:https://ryuyanakane.wixsite.com/portfolio/
Instagram:@r.n.artist2021

施設の歴史を読み取りながら、展覧会へと構成する視点が評価されました。建物の特性を読み解いた具体的な展示プランの提案もあり、ドローイングマシーンを軸に多様な鑑賞体験を提示する構想は、商業施設という場の特性とも響き合う魅力的な提案でした。


作品名:FRAME(⼸塲 勇作 氏)

1983年愛知⽣れ。2016年京都momuragでの初個展以降、グループ展などに参加し、活動を続ける。

X:@0braque0
Instagram:@yubayusaku

漫画のフレームを空間に展開するという、新たな挑戦が評価されました。新しい挑戦である一方で、リサーチに対する具体的な提案や、プレ展示から本展示へと展開する構成もよく練られており、WACCAならではの展覧会が実現する可能性を感じさせる内容が高く評価される提案でした。


「商業施設とアートの水際」をテーマにアワードは3回目を迎えました。応募頂いた皆様には深くお礼申し上げます。応募作品はWACCA池袋という施設を深く読み解いて頂き、池袋の歴史や街にまで視点を広げて頂いております。最終選考では、応募いただいた作品のどれもが来館者との関係性や施設のオルタナティブな空間を活かした提案であったこと、コンセプトをアート化する創造性にワクワク感を持って審査に臨ませて頂きました。今回も作品をめぐり多くの意見交換が行われ、毎回とても印象深いアワードとなっております。来館者は作品と出会い、なにか新しい発見や体験を予感させるアワード審査であったことをお伝え致します。応募頂いた皆様には、誠に有り難うございました。

今年度はこれまで以上に分野もキャリアも多様なアーティストからの応募が集まったように感じています。また、作品だけでなく企画提案も可能であるという本アワードの特徴を活かし、申請者以外のクリエイターとの協働を含んだプランにも目が留まりました。 二次審査へ進んだプランはそれぞれに異なる魅力があり、審査は難航しました。自身の作品の魅力を理解し、それを客観的に伝えることや、商業施設での実施という点に向けた対応能力も重要な点になります。しかし、アートでしか見せることができない景色をつくることができるのか、アーティスト自身が本アワードを通じてどんな飛躍をするのか、そういった期待感を審査員も巻き込んで一緒につくっていけるかが選考のカギとなっていた気がします。

昨年度に続き2度目の審査、一年変わると応募内容こんなふうに変動するのだなと楽しく参加させてもらいました。中でも昨年は比較的年齢層の高い入賞となりましたが今年は惜しくも入賞していなくとも若い層の参加が多く目につき頼もしく思いました。一方で応募資料の作り方や2次審査の際の伝え方、見せ方で池袋という個性の街の中であること、商業施設での展示であることに無意識に近い形でこうあるべきという線を引いて見える作品も多く勿体無く思う部分もありました。
今回入選を逃した方も何度でも自分たちの強みを深く見つめ直してもらい、実現可能性を一旦忘れさせる、夢みたいな、そんなことしてもいいの!?本当に?なんなのそれ?みたいなプランをどんどん作ってもらい、そしてその展示のできる場所としての本アワードとWACCAの活動にこれからも期待しています。

本アワードは、完成された作品を施設内に設置して終わりではなく、プレ展示や準備期間を通じてブラッシュアップが図られていくというプロセスに大きな特徴があります。今年の応募作品についても、新たな表現に挑戦しているものが多く、とても刺激的な審査となりました。
審査を進める中で、「商業施設とアートの水際」というテーマへの解釈、施設や地域と共創していくプロセスに対する柔軟性、それらを表現としてまとめあげる作品としての強度を総合的に見ながら応募作品に向き合い、グランプリの選定に至りました。堀田さんの作品は、華やかな場である商業施設の裏側に着眼し、そこを作品として可視化することで見る人への想像力を喚起することと、池袋という街との接続・広がりについても可能性を感じさせるものでした。応募時の提案から、プレ展示・本展示に向けてプロセスでどんな変容を遂げるのか、今からとても楽しみです。

「アートと商業の⽔際」
3回目となるWACCA ART AWARDですが、第1回、第2回ともまた異なる傾向の応募が集まりました今回、例年以上に多く議論したのは、「応募いただいたプランには、どのような変化や拡張の可能性が考えられるか」ということだったように思います。単に実現可能性の有無だけでなく、選ばれた作品がどのようにWACCAという場所に呼応し、その可能性を広げてくれるのか、応募者自身の今後の活動にどのような影響があるか、といったことまで話題に上りました。
このような「変化の可能性・方向性」という要素と、個々のプランが有する固有の魅力の微妙なバランスについて考える、興味深く、悩ましい審査となりました。
いずれのプランも、「どうやったら実現できるのか」を考えたくなる魅力に満ちており、異なる機会での出会いに期待したいと思います。

今年度も非常に多様なプランの応募をいただきました。開催を重ねるごとに、施設や地域の背景を丁寧に読み解き、深くリサーチした提案が増えてきていると感じています。これは本アワードにとってとても有難い傾向です。一方で、テーマや設問に誠実に応答しようとするあまり、作品として、あるいは作家として「何がやりたいか」という主張がやや見えづらい提案もあったように感じました。
地域性や施設の文脈を読み解くことは重要な審査基準ですが、アートアワードとして「この作家の作品を、WACCAで実際に見てみたい」と審査員が思えることが、単純なことですが最も重要な審査基準だと思います。テーマや会場、地域について理解を深めた上で、最後は作家として最もやりたい表現を率直に提示することが、本アワードにおいても重要なのではないかと感じています。

第3回目を迎える今年は、作品を展示し鑑賞するだけでなく、来館者に積極的に働きかけ伝える工夫や、「商業施設とアートの水際」というテーマを読み解く着眼点が多彩で、年齢や職業など応募制限が無い本アワードの良い面を改めて感じることが出来ました。プレ展示や本展示までの準備期間を使ってステークホルダーと協働するプロジェクト型の作品など今後の展開や可能性が楽しみな作品もあり、グランプリ作品を一点に絞る難しさを今回も感じる審査となりました。施設としては作品が多くの来館者に届きますよう、展示サポートや広報宣伝でも伴走し、作家の挑戦を応援していきたいと思います。応募して下さった全ての方に感謝申し上げると共に、次年度以降も多くの意欲的な作品の応募に期待しています。


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