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ワッカアートアワード2025 入選作品
WACCA ART AWARD2025へのご応募、誠に有難うございました。
グランプリ・ご入選者様をご紹介いたします。
(写真はクリックで拡大表示していただけます。)
ワッカアートアワード2025 グランプリ



作品名:カーテンは街に話しかける(日高恵理香 氏)
作者プロフィール
日高恵理香建築設計事務所 代表。すでにある環境と相互作用で機能が成立し、それがあることで場所の可能性が広がる作品を目指しています。
Website:https://erikahidaka.net/
Instagram:@hidaka_erika
審査コメント
建物の内部だけで完結するのではなく、周辺環境を読み解き、建物の外の空間にもアプローチする視点が高く評価されました。実現に向けた課題もありつつも、バックアップのアイディアも綿密に準備されており、施設としても作品の実現に向けて共に歩みたいと思えるプランでした。
ワッカアートアワード2025 入選作品




作品名:わのなかでね、ねぎらう(村上美樹 氏)
作者プロフィール
1994年秋田生まれ、京都拠点。HAPSスタジオ利用。京都市立芸術大学大学院修士課程彫刻専攻修了。自分自身や他者の個人的な経験や記憶に焦点を当て、それらの忘却や物の廃棄に対する抵抗と愛着を重要な要素としながら展示空間に構成することで、鑑賞者と相互作用が起こり、体験が拡張される「記憶の場」となるような作品の制作、発表を行う。主な展覧会に、2021年 アーティスト・イン・レジデンス プログラム2021 “invisible connections”レクチャーパフォーマンス「光が痕跡となって山にとまる」アーカイブ展示(国際芸術センター青森、青森)、2022年 若手芸術家支援企画『愛着再考』(神戸アートヴィレッジセンター、神戸、兵庫)、2021年天理市アーティスト・イン・レジデンス成果発表展「オブジェクトの声を聞く旅に出ること」(Art-Space TARN、奈良)など。
Website:https://murakamimiki.com/
作品販売サイト:https://murakamimiki-art.stores.jp/
Instagram:@murakamimiki.art
審査コメント
WACCAで働く従業員に視点を向けた、非常に興味深いプランでした。リサーチを通じて施設の実状や地域の特性をさらに汲み取ることで、より魅力的な作品へと発展する可能性が高く評価されました。また、今後の発展を期待する声も多く寄せられました。

作品名:グループ展「タイトル未定」(ユミソン 氏)
作者プロフィール
アーティスト。キュレーター。Baexong Arts主催。ディレクションは、2013年より福島県にてアラフドアートアニュアル、2014年より宮城県にて風の沢ミュージアム、2018年より東京にてスタートバーン(株)。キュレーションは、北アイルランド2015年《When The Wind Blows 風が吹くとき》、《富士の山ビエンナーレ2014┃トラベリングセオリー》等。作品は物質と存在を扱った《かみさまをつくる》2012年等、意識の隙間から作品を展開している。
Webサイト:https://yumisong.net/
審査コメント
コンセプトが明確で、池袋と海外のつながりも意識された素晴らしいプランでした。「商業施設での展示として難解ではないか?」という懸念点も挙げられましたが、一方で、商業施設で展示するからこそ、アートに馴染みのない人にも届く可能性があるという意見もありました。商業施設におけるアートの意義を改めて考える機会を生み出す、非常に魅力的なプランでした。



作品名:サムライ アソート(佐藤圭一 氏)
作者プロフィール
1994 東京藝術大学大学院彫刻専攻修了
2013 第30回FUKUIサムホール美術展・30回展記念賞
第25回UBEビエンナーレ(現代日本彫刻展)・島根県立石見美術館賞・緑と花と彫刻の博物館賞
2016 だって夢中なんです! (ときわミュージアム分館)
2017 六甲ミーツ・アート芸術散歩2017
2019 30号線は 秋 (うべの里アートフェスタ2019)
2020 第23回岡本太郎現代芸術賞展
2021 六甲ミーツ・アート芸術散歩2021
2022 あまがさきアートストロール Produced By 六甲ミーツ・アート芸術散歩
2023 六本木アートナイト2023
六甲ミーツ・アート芸術散歩2023beyond
2024 神戸六甲ミーツ・アート2024beyond
Webサイト:https://www.sato-keiichi.jp
審査コメント
作品のビジュアルが非常に力強く、WACCA IKEBUKUROの空間でぜひ見てみたいと思わせる、魅力的なプランでした。商業施設という警備を設置しづらい環境において、展示方法や館内での配置をどのように工夫するかを検討されており、具体的なイメージが広がる素晴らしいプランでした。






作品名:Touch the City Skin(HAFEN Kou Honda)
作者プロフィール
一級建築士。東京藝術大学大学院修了後、NAP建築設計事務所、nendoを経てHAFEN設立。様々なスケールを横断しアート・プロダクト・建築・ランドスケープを計画。
【主な作品】
「Connecting Pieces of Wood」
「Wind of Plants Hill」
「Fence Fence Fence」
「Incorporate the City」 その他多数
審査コメント
WACCAの周辺建物のテクスチャー(外壁)を素材とすることで、街とのコミュニケーションを広げる魅力的なプランでした。一次審査では「博物館的な展示になるのではないか」という懸念もありましたが、二次審査までにマップや家具などの追加提案がなされ、短期間でのブラッシュアップが光る素晴らしいプランでした。
審査総評
審査員長 簱 栄一郎 氏(栄真株式会社(WACCA池袋運営会社)代表取締役)
「アートと商業の⽔際」を応募テーマに第2回⽬を迎えた今回も、施設コンセプトや街の特性を読み解いた、内容の濃い提案を頂く結果となりました。
展⽰環境はオープンで回遊性のある空間に、多彩なアート提案で「今の時代性を表現」「建物の内側と同時に、街に向けたアート表現の可能性と建築的アプローチ」「AI とつながる」「エンターテイメント性に寄せた」等々、印象に残る作品提案のAward となりました。偶然的にアートと出会った⼈も、何かしら新しい発⾒や⾯⽩い経験を持ち帰ることができるアート提案と向き合う審査となりました。応募頂いた皆様には⼼より御礼申し上げます。
審査員 青木 彬 氏(インディペンデント・キュレーター/一般社団法人藝と)
今年はデザインや建築をバックグランドに持つクリエイターからの応募や、グループ展の提案など前回とも異なるプランが多く集まり、施設にとっても挑戦となる魅力的なプランを前に選考が難航する場面もありました。そのような中で、プラン審査であるという本アワードの特徴のひとつが大きな論点になったように思います。
つまり完成している作品を決められた空間の中に設置して終わりではなく、「商業施設とアートの水際」というテーマのなかでどのように施設や地域と協働していけるか、その柔軟性や発展性、可能性を見出していく過程で、応募プランにわずかな差が付きました。
審査員 淺井裕介 氏(美術作家)
都市の中で決められた場所に作品をポンと置いて終わりではなく、比較的自由に空間を読み解くことが許容されていること、プレ展示の機会や準備期間がしっかりと取られており応募に年齢制限もなく、グループでも応募も可能なこの公募は全ての作家にとって良い意味で攻略しがいのあるとても良い経験の場になるのだろうなと慣れない審査をしながらあらためて思いました。
今年は昨年に比べて予想に反して年齢層が高めだったという話でしたがそのプランに至った意図と熱量を読み解きながら、ひとまずはプランとして成熟していてもいなくても構わないので実際に見てみたいかどうか、WACCAというある種の特殊な展示空間の中でどこに接続しどんな変化をもたらす作品になり得るのかなんかを焦点とし選び、中でも一見シンプルに見えてチャレンジングでもあり、あの場所でなければならない!という強い思いを感じることのできた日高恵理香さんが大賞になりました。今後現場との対話やプレ展示を経てどんな展示になるのか、またその展示を通じて来年度以降もさらに多くの挑戦が生まれることに期待しています。
審査員 飯石 藍 氏(公共R不動産コーディネーター/株式会社nest取締役)
WACCAは池袋のまちに暮らし働く人にとって、商業施設という意味を超え、刺激的な体験ができるだけでなく、居場所のような心地よさを持つ場でもあります。
そんな空間にアートが混ざり合うことで、どんな変化がもたらされるのか。
さらにはそれがどのように池袋のまちと繋がっていくのか。そんな視点を意識しながら、応募いただいた作品に向き合ってきました。どの作品も、表現方法やアプローチが多彩で、表現の力強さを感じるものばかりでした。
グランプリ受賞者の作品はプレ展示を経て実際の展示が行われますが、その過程で来館者や街の人とどのように呼応するのか、今からとても楽しみです。
次回以降のアワードでも、新たな表現への挑戦に出会えることを期待しています。
審査員 簱 明美 氏(WACCA運営室 取締役)
アワードの課題に対する解釈と表現方法に、より一層の多様性と可能性を感じました。商業的インパクトの強い作品やAIを用いた企画、ご自身の制作テーマを世に問う作品など、課題を掘り下げ創造された作品からは、地域の特性、歴史を思わせるものもありました。アート作品に限らずキュレーション的企画があったことも良かったと思います。商業施設の中のアートに新たな可能性を感じ楽しかったです。
作家と共に施設もチャレンジしていきたいと思います。来館者がリアルなアートに触れ、思いがけない気づきや楽しさ、疑問など、何かを感じて頂けたら嬉しいです。