もうひとつのdaidokoroから感謝を込めて
【daidokoro暮らし研究室】(ストーリーNo.006)
「daidokoro暮らし研究室」は都会に暮らすあなたのために、過去の知恵を大切にしながら未来を考える“三方よし”の希望を叶える研究室です。
作る人、料理する人、食べる人の三方それぞれの想いを抱きながら「縁側で語り合うように」温もりを感じる“ところ”(dokoro)でありたいと願っています。暮らしに欠かせない工夫や知恵、農や食についての想いをdaidokoroに関わる人々と一緒に考え、ひとりひとりの健康財産となるようお伝えしたいと考えています。コラムを通して、もうひとつのdaidokoroが食や暮らしにまつわるストーリーを丁寧にお伝えします。
もうひとつのdaidokoroから感謝を込めて
2020年も終わりを告げる師走、レストラン活動としての“もうひとつのdaidokoro”を懐かしむ皆さんをはじめ、あったかいおかゆで癒しを求める方々でWACCA池袋が賑わいました。カウンター越しに会話が弾み思わず溢れる笑顔と「おいしい」の一言。もうひとつのdaidokoroから2020年の感謝を届ける、テイクアウト専門店「おかゆやさん」が期間限定でオープンしました。
限られた座席数ながら座ってゆっくり食べてくださるお客様の多さに驚かされました。おかゆの魅力、日常食としてのささやかな美味しさを再確認してくださった証拠なのかもしれません。初日は平日にも関わらず、仕事の合間のランチとして、もうひとつのdaidokoroのリピーターさんで売り切れてしまうほどでした。
期間限定でありながらオープンに合わせてお越しくださった皆さん、本当にありがとうございました。
「コロナで人との距離が離れがちだけれど作る人のそばで、一緒に味わいたいんだなと感じました」とはるさん。感謝の気持ちが届いたこれも、お米がもたらす“コメニケーション”として成立している新しい姿として目の当たりにすることができた一日となりました。
テイクアウト専門店のオープンに向けて、料理長はるさんの想いは確実に形になろうとしていました。「生産者さんが大事に育てた食べ物は、おいしいの種。そして幸せの種。その種をしっかりと育てることに使命を感じながらもうひとつのdaidokoroがお休みの間もおいしいを創る活動で育んできました。
コロナでいろんなことが変わったけれど、日本中で世界中へ、おいしいの種を植え続けたい。美味しいからスタートする幸せを今だからこそ一人でも多くの人に届けたい。今できるその形がテイクアウト専門店でした。」
レストランでありがとうが伝えられなかった皆さんに、何かできることはないのだろうか。今年も美味しいお米が収穫できたかな?WACCA米が収穫されたタイミングと同時にちょうど企画が持ち上がりました。
新しい生活様式に合わせスタンダードとなりつつある「テイクアウト」。テイクアウトでもそれぞれの食べる場所までありがとうが届きやすいようにパッケージにもひと工夫を加えました。
WACCA池袋お馴染みのカエルのWAっくん、はるちゃんと仲間たちがおにぎりを頬張るイラストがこの日のために復活し、収穫への感謝、そして2020年のありがとうを心を込めて直接伝える貴重な2日間となりました。
次回は1月7日の七草粥に合わせて3日間限定の第二弾テイクアウト専門店をオープンする予定です。どうぞお楽しみに。
(詳細はこちら>https://daidokoronanakusa.peatix.com/view)
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“おいしいを創るひと”として再び動き出した日
本格的な冬の寒さを迎えた12月初旬、もうひとつのdaidokoroのキッチンではるさんが丁寧にお米を炒って準備を進めていました。「玄米はゆっくり時間をかけて炒ることで香ばしいコーティングが美味しさに生まれ変わるんですよ。」ひと手間の愛情を込めることも、もうひとつのdaidokoroでは毎日の営みでした。
お米はお惣菜ランチの野菜でもお馴染みだった「里山ぐるぐるスマイル農園」さんの玄米です。農園主の中澤健一さんが自ら届けてくださいました。
「ほら、お米の香りがしてきたでしょ?パチパチこの音がリラックスするのよね。」無心で美味しくなることだけを考えながら手が動きます。食べることでいろんなコミュニケーションが生まれ、美味しいだけでなく心が休まるようなひと時を届けたい。準備の時から、はるさんとお米のコメニケーションは既に始まっていました。
実ははるさんがずっと温めていたレシピ「お米のアイス」はおかゆやさんのデザートメニューとしてお披露目となりました。
玄米とココナッツミルクを使った秘密のレシピ、もなかに乗せる工夫もはるさんならではの心遣いです。ココナッツミルクは不思議とお米との相性が抜群で、温かいおかゆやカレーを食べた後のお楽しみに多くの方に食べてもらうことができました。お米の意外な食べ方に興味津々で注文する方もあるくらい、お米への関心が高まるデザートメニューとなりました。
お米を食べることで実現する“コメニケーション”
お米の新しい食べ方を現代のみなさんに届けることも大切なコミュニケーションだと思うんです。お米を食べることで笑顔が溢れて幸せになる。思わず「おいしい!」と伝えたくなるような自然に広がる「美味しいの輪っか」。こんなコミュニケーションが取れるってコロナの今だからこそ、大切にしたいですよね。そんなコミュニケーションをを“コメニケーション”として包みたい、感謝の気持ちを伝えられる方法はないだろうか・・・、レストラン活動を休止中も“おいしいを創るひと”として活動を続けていたはるさんの想いは膨らみ、かつてのスタッフと共にもうひとつのdaidokoroが形を変えて再び動き出したのです。一緒に何かをできるって素晴らしいな、顔を思い浮かべながら準備をしてきました。
都会のみなさんに美味しいを届けたい、もうひとつのdaidokoroと想いは何も変わっていません。一粒のお米がきっかけとなりみなさんと一緒に笑顔いっぱいになりたいという想いはどこまで届くでしょうか。
一人ひとりがお米を食べる、大切にする。それだけで生産者さんが喜ぶことにつながるのです。ささやかながら、その行動ひとつひとつから田畑の存在が持続可能となる未来への一歩になることもお伝えしたいのです。
自然がいつまでもあるべき姿で次の世代へ継承できるかどうか、現代の私たちが食べるという行為によって未来が変わると思えば、もう少し身近なこととしてできることはありそうです。一人ひとりの“食べる行動”は小さなきっかけに過ぎません。しかしながらその第一歩を提供できることも暮らし研究室からお伝えできるひとつの形なのです。
WACCA米であることの喜びを仲間とともに
今回使用したお米「WACCA米」は「里山ぐるぐるスマイル農園」中澤さんご夫妻の協力のもと、WACCA池袋メンバーが中心となって自然農法で育てたお米です。
生産者さんにもっと寄り添い、大切な仲間と一緒に米作りの喜びを共感できないだろうか、WACCA池袋の「つながったすべての人とともに成長する」ゴールに基づき2019年の春に始まった取り組みです。
愛情込めて育てたWACCA米をたくさんの人と分かち合いたい、新しい生活様式に疲れているかもしれない皆さんと一緒に、ほんのひと時だけでも時間を共有し、行動したかったのです。お米を食べること、美味しさを誰かと共有することでお米の魅力を再確認することもできるのではないでしょうか。
一粒の想いをおかゆさんとかれーさんに添えて
「日本には季節ごとに恵に感謝する素晴らしい文化があるんですよね、誰かと一緒に感謝することで明るい一歩が踏み出せないかなと思ったんです」
「あったかいご飯を食べることってお腹いっぱいになるだけでなく心も満たされるんですよね。無事の収穫への感謝、美味しく食べてお腹いっぱいになる幸福感で満たされることで救われる人がいるならば。
お米一粒に想いを込める、コロナで先行きの不安が尽きないからこそ、温かい気持ちを届けたかったんですよね。」とはるさん。
メニューは、選べるおかゆさんとして3種「キクイモのおかゆ」「中華風おかゆ」「スパイス“キチュリー”のおかゆ」でした。「蒸し野菜付きのやさいのカレー」に「お米のアイス」お米を楽しめるメニューをご用意しました。おかゆには春菊たっぷりの水餃子付き、お腹いっぱいになるのか不安だったみなさんも、その食べ応えには驚いていたほどです。
もうひとつのdaidokoroから新しい一年の無病息災を願って
新年を祝う喜びとともに冬から春へ向かうこの季節、疲れた心も体も労ってほしい。7種の野草が入ったおかゆを人日の節句(1月7日)に食べる習慣があることはみなさんご存知の通りだと思います。しかしながら、なかなか実際に食べて季節を感じることはできない暮らしになっているのかもしれません。都会に暮らすみなさんにこそ届けたい食や食文化への想い、daidokoro暮らし研究室では食文化を丁寧に、現代のの暮らしに合わせて提案し続けたいと願っています。
食べること、文化とのつながり、その意味や込められた想いを感じられることを
もうひとつのdaidokoro料理長はるさんからのメッセージ:
免疫力を高め、健やかに過ごしてもらえる工夫をWACCA米でお届けできると嬉しいです。寒い季節だからあったかい食事でこころいっぱいになってもらえますように。daidokoroの仲間もみんな同じ気持ちでお迎えしたいと思います。
WACCA池袋でみなさんにお会いできますことを楽しみにしています。
2020年今年もお疲れ様でした。
邪気を払うとともにお正月の疲れた胃腸も気遣うおかゆさんと、どこでも人気のかれーさん。いつもの食事が特別に変わる、“はるさんのおいしさ”が加わったレシピをどうぞお楽しみに。新しい一年の始まりに、皆さんとの再会をお待ちしています。
●WACCA池袋「daidokoro暮らし研究室」からのお知らせ●
WACCA米で健康と平和を願う“コメニケーション” 「おかゆさん」と「かれーさん」
日 時:2021年1月7日(木)〜9日(土)11:00〜17:00(無くなり次第終了)
場 所:WACCA池袋1F中池袋公園側入り口 特設会場
メニュー:
・おかゆさん(七草粥と鶏の生姜焼き)600円(税込)
・かれーさん(ドライカレーまたは冬野菜のゴロゴロカレー)600円(税込)
・ぷりんさん (たまごさんプリン、ココナッツミルクプリン)300円(税込)
※先着順で野菜のお土産プレゼント付き(おかゆさんまたはかれーさんご注文の方に限らせていただきます。無くなり次第終了)
※メニューは食材の関係で変更になる可能性があります。ご了承ください。
※当店は期間限定のテイクアウト専門店です。店内でのお食事も可能ですが座席数に限りがあります。人数制限など必要に応じて行うことがありますのでご了承ください。
=予約優先で申し込み受付中=
詳細はこちら:https://daidokoronanakusa.peatix.com/view
お願い:
新型コロナウィルス感染拡大防止のため、事前の購入予約にご協力をお願いします。
ご来店時にはマスク着用にてお越しください。手洗い、アルコール消毒、ソーシャルディスタンスの確保にご協力をお願い致します。混雑状況によって入店制限をさせていただく場合があります。
特別協力:
里山ぐるぐるスマイル農園 https://gurugurusmile.localinfo.jp
構成・文・写真:WACCA池袋「daidokoro暮らし研究室」
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手間ひまかけられた心づかいを味わってほしい。
その愛情こそが土のパワーだと私たちは考えています。
美味しく調理された一品も土の香りたっぷりの野菜そのものも全ては丁寧さが明日の命となる。daidokoroのお母さんの想いが一人でも多くの方に届くことを心から願っています。
「もうひとつのdaidokoro」http://daidokoro.wacca.tokyo
有機・無農薬野菜を中心にしたお惣菜ランチが魅力のレストラン。食と農を考えつなぐ「三方よし」を現代へ。かつての日本の当たり前を現代に伝える空間として、地域に解放された集いやすい温かな場所として存在し、WACCA池袋の中心的なコミュニティースペースとしても活用されている。地域・コミュニティづくり社会貢献活動の部門でグッドデザイン賞を受賞(2017年)。WACCA池袋はアートとカルチャーの発信融合の場として池袋の中心的な役割を担っている。
カテゴリー:食 daidokoro暮らし研究室