「おかゆ」と「カレー」でdaidokoroを想う
【daidokoro暮らし研究室】(ストーリーNo.007)
「daidokoro暮らし研究室」は都会に暮らすあなたのために、過去の知恵を大切にしながら未来を考える“三方よし”の希望を叶える研究室です。
作る人、料理する人、食べる人の三方それぞれの想いを抱きながら「縁側で語り合うように」温もりを感じる“ところ”(dokoro)でありたいと願っています。暮らしに欠かせない工夫や知恵、農や食についての想いをdaidokoroに関わる人々と一緒に考え、ひとりひとりの健康財産となるようお伝えしたいと考えています。コラムを通して、もうひとつのdaidokoroが食や暮らしにまつわるストーリーを丁寧にお伝えします。
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「おかゆ」と「カレー」でdaidokoroを想う
緊急事態宣言とともに実施となった第二弾のポップアップショップでしたが、都会の中にdaidokoroがあることを待ち望む人たちに支えられた3日間となりました。
お越しいただいたみなさま、ありがとうございました。
WACCA米でコメニケーションにつながることを形にしたい、その想いを仲間と一緒に届けることができた日々でした。
身体にいいものを食べて帰りたいとお仕事帰りに毎日寄ってくださった方、7日に七草粥を食べ損ねまさか今日食べられると思っていませんでしたと喜んでくださった方、daidokoroの温かさを楽しみに特別な場所として優しい味を噛み締めてくださった方、絵本と一緒に親子でゆっくりと時間を過ごしてくださった方。
みなさんのために都会にdaidokoroがあることを心から喜べる3日間となりました。
WACCA米に乗せた気持ちが「おかゆ」と「カレー」になりお届けできましたことに心よりお礼を申し上げます。
みなさんと一緒にdaidokoroを表現することができたことに感謝の気持ちでいっぱいです。どこにもない、きっとここだけの「もうひとつのdaidokoro」はいつもみなさんのそばにいつも存在していたいと思います。食べることと命を大切に、健康だけでないそのちょっと先を一緒に見つめられるようにみなさんといつか再会できる日を楽しみにしています。
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食べられるところは丁寧に最後まで
“daidokoroらしさ“のひとつ、それはもったいないところがないよう最後の最後まで食べられるところは使い切ることを徹底しています。「命を大切にすること」daidokoroの精神そのものです。決して作る作業だけではなく、ひとつひとつにひと手間かける、余ったものは何かに使えないかな、手を動かしながら考えることなのです。そこにお母さんの”愛情“が宿ると私たちは考えています。
野菜は小さすぎても大きすぎても曲がっていてもいい、どれもこれも選べない“かけがえのない美味しい形”です。野菜の個性を愛で、大切に使い切ることが感謝の形となり食べる時には美味しい以上の価値となり、身体に染み渡っていくのではないでしょうか。
実は今回のメニューのサラダに添えたキャロットラペの人参は、小さな残りも塩もみ後の汁もドライカレーに活用し美味しさに加えました。
食べられる部分を丁寧に切って、みじん切りにするとまだまだ大切な食材です。命を大切に使って食べることを作り手の気持ちに添えてご提供できることもdaidokoro料理の喜びのひとつ。みなさんにとっては食べる喜びへつながります。特に皮には栄養がたっぷり、丁寧に洗えば皮むきは要らず、ゴミの量も減らすことができるのです。
これらの作業は人参が持っている育つ力や、生産者さんの毎日の想いをしっかりと受け取っている瞬間でもあります。たくさんの太陽を浴びてくれてありがとう、大切に育ててくれてありがとう。料理の最中もたくさんのありがとうで溢れているのです。一瞬一瞬の感謝をつなぐことを今度は食卓へ届けたい。もうひとつのdaidokoroのキッチンでは当たり前のこともみなさんの暮らしに少しでも取り入れてもらえるといいなと願っています。
何かひとつだけでも、みなさんの日常に。それは暮らし研究室のメッセージです。
「もうひとつのdaidokoro」のあのレシピをもう一度
限定ショップで「おかゆさん」「かれーさん」と並んで大人気だったメニューがプリンです。お惣菜ランチと一緒に食べた方も多い「もうひとつのdaidokoro」で定番のプリンを今回は復活させてみました。さらにココナッツミルクのプリンも登場しました。レシピをご紹介します。
●ココナッツミルクのプリン
(カップ約7個分)
材料:
砂糖・・・80g
ココナッツミルク・・・400ml
卵・・・4個
作り方:
①鍋に砂糖とココナッツミルクを入れて中火でよく混ぜ合わせる。砂糖とココナッツミルクが完全に溶けるまで丁寧に混ぜ、沸騰させないように注意する。
②泡立て器でかき混ぜた卵にゆっくりと①を注ぎ入れ、混ぜ合わせる。
③ざるで②を濾してプリン液を作りカップに流し入れる。濾すことにより舌触りの滑らかなプリンに仕上がります。
④160℃に熱したオーブンに湯煎(40℃くらい)をして約30分焼く。
オーブンの種類や容器によって焼き加減が違うことがあります。カップを少し揺らし固まっているかどうか又は竹串を刺してお好みの焼き具合に調整してください。余熱を活用するのもおすすめです。
●カラメル
材料:
砂糖・・・80g
水・・・60ml
作り方:
①鍋に砂糖を入れて中火にかける。鍋を揺らさずに砂糖が溶け始めるまで待つ。
②周りが溶け始め煙が出てきたら鍋を火から外し、砂糖が均等に溶けるように鍋を回す。
③全体が溶けたら弱めの中火にかけて全体がふつふつして煙が出てきたら水を一気に入れて火を止める。全体に水が馴染んだら出来上がり。
カラメルは砂糖を直接火にかけるので焦げないように注意が必要です。甜菜糖の上白糖やグラニュー糖が作りやすくおすすめです。カラメルは冷めると独特の瀞みがついて美味しく仕上がります。お好みの量をプリンにかけてお召し上がりください。
守り続けたいdaidokoroの力
レストラン活動オープン時より「もうひとつのdaidokoro」では食を通じて季節を感じることを大切にしてきました。旬や行事食、季節にあったその土地ならではの風習など、食べる喜びが文化に繋がっていることを伝え残していきたいと思っています。「おかゆさん」を七草粥としてご提供したことも、身近に行事食を楽しみ触れて欲しいという願いがありました。「食べること」たったそれだけですが、残せるものは何なのか考えるきっかけにできるのではないでしょうか。そして、これからも私たちは季節とともにある食の姿を気軽に食べてもらえるよう存在意義を追求したいと考えています。四季がある日本の美しさを食卓でも感じていただけるように工夫をし、活動ができればと願っています。
「行事食を食べて、成長と健康を一緒に願って感じることができる。嬉しい場面に出会うと生きる喜びにもなります。食卓を囲むことの素晴らしさ、愛情ある美味しさを届けることがきっと守り続ける力になるんじゃないかな」とはるさん。
みなさんの食卓にも大切にしたいことがずっとずっと守れるよう「もうひとつのdaidokoro」が安らぐ“安寧な暮らし”を感じてもらえる場所でありたいです。
料理長はるさんが語る“コメニケーション”
実は、初日の七草粥の日には地元のテレビ局が取材にお越しくださいました。作り手の気持ちを話す機会がなかなかないはるさんですが、お米を食べること、美味しいことの先にあるものをじっくりとお話しさせていただきました。満腹感だけでなく食べることで得られる心と体への栄養も料理と一緒に届けたい、そんなコミュニケーションも大切な美味しさのひとつです。ぜひご覧ください。
放送予定をご案内しますので、ぜひ「としまNEWS」をご覧ください。
番 組 名:としまテレビ「としまNEWS」
https://www.toshima.co.jp
放 送 日:1月25日(月)~29日(金)、2月1日(月)~5日(金)
放送時間:13:45~13:55
※放送内容や時間は予告なく変更となる場合がございます。予めご了承くださいますようお願い申し上げます。
構成・文・写真:WACCA池袋「daidokoro暮らし研究室」
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手間ひまかけられた心づかいを味わってほしい。
その愛情こそが土のパワーだと私たちは考えています。
美味しく調理された一品も土の香りたっぷりの野菜そのものも全ては丁寧さが明日の命となる。daidokoroのお母さんの想いが一人でも多くの方に届くことを心から願っています。
「もうひとつのdaidokoro」http://daidokoro.wacca.tokyo
有機・無農薬野菜を中心にしたお惣菜ランチが魅力のレストラン。食と農を考えつなぐ「三方よし」を現代へ。かつての日本の当たり前を現代に伝える空間として、地域に解放された集いやすい温かな場所として存在し、WACCA池袋の中心的なコミュニティースペースとしても活用されている。地域・コミュニティづくり社会貢献活動の部門でグッドデザイン賞を受賞(2017年)。WACCA池袋はアートとカルチャーの発信融合の場として池袋の中心的な役割を担っている。
カテゴリー:食 daidokoro暮らし研究室